分譲住宅のご近所問題

ご近所同士でトラブルの原因になりがちなのが、騒音や振動に関する問題です。壁に体や物が激しくぶつかると、意外と衝撃は伝わるもの。頻繁に発生すると、ストレスを与えトラブルを引き起こす原因になります。

また、騒音問題もよくあるトラブルの一つ。注意すべきものとして、子どもが出す大声や楽器の演奏音などが挙げられます。これらの音は響きやすいこともあり、苦情が発生する原因になりやすいため、注意が必要です。

地域ごとにゴミ出しに関するルールは定められているものですが、そのルールを守らない人がいると、トラブルに発展することがあります。ゴミの種別ごとに定められた曜日を各家庭が把握して守ることが、トラブル発生の防止につながります。

住宅や土地には、それぞれ境界線が定められています。その境界線からはみ出してしまうことも、トラブルの原因としてありがちです。
よくある例として挙げられるものが、樹木の管理。樹木が伸びて隣家の敷地にはみ出してしまうことでトラブルになることもあり、樹木の管理には気をつける必要があります。
また、落ち葉や虫など、副次的な問題が発生することもあるので、定期的な伐採や掃除を行うようにしましょう。

タバコもご近所トラブルの原因としてよくある問題。煙だけでなく、臭いが風に吹かれて敷地内や家の中に入り込んでくることもあるため、タバコを吸わない方にとっては迷惑なものです。
干している衣服に臭いが染みついたり、小さな子どもやお年寄りがいる家庭では、健康被害も気になるもの。
敷地内での喫煙についてのルールを確認し、トラブルを招かない工夫と思いやりが大切です。

ペットもトラブルの原因になりすい要素の一つ。特に、鳴き声が響きやすいペットは要注意です。
また、ペットの糞問題もよくあるトラブルの一つ。糞の後処理を含め、散歩時のルールについても確認する必要があるでしょう。

ご近所同士、やはり人間関係が引き起こすトラブルも多い問題です。分譲住宅のように住宅が隣接しているような場所では、ご近所同士仲良くなるケースも多いですが、距離が近い分トラブルが起こりやすいとも言えます。

分譲住宅で暮らすうえで起こり得るさまざまなトラブルを紹介しましたが、実は分譲住宅ではトラブルが起こりにくいという見方もあります。その理由について見ていきましょう。

分譲住宅では、同じような価値観を持つ人が集まっていることから、トラブルが起きにくいという考え方もあります。
一般的に物件選びをするときは、地域の様子や予算をはじめとして、複数の要素を検討したうえで決定する方が多いです。そのため分譲住宅では、同じような判断基準や価値観を持っている住人が集まる傾向にあるのです。

また、子育て世帯が集まっていたり、ライフステージが共通していたりするため、情報交換をはじめとするコミュニケーションの機会が多いということも、住人同士の良好な人間関係構築につながっているのでしょう。

新しい分譲地では、同じタイミングで一気に住人が生活を始めることも。既存のコミュニティが形成されているのではなく、皆同じタイミングからのスタートとなるため、一から交流を深められるというメリットがあります。

ハウスメーカーが提供しているタイプの分譲地では、住人が快適な暮らしが送れるよう、隣接計画に基づいて街づくりが行われていることが一般的です。さらに大規模な分譲地であれば、分譲住宅の建設において、街並み協定のもと一定のルールが定められていることもあります。

分譲住宅ではトラブルが起きにくいような工夫がされているとは言え、もちろんその可能性はゼロではありません。分譲地内では人間関係が密になる傾向にあり、それはプラスにもマイナスにも働くことがあります。良好な住人同士の人間関係も、一つのトラブルをきっかけに大きく関係が壊れてしまうことも。

そのため、分譲住宅で暮らすうえでは、ご近所付き合いについてのマイルールやスタンスを持っておくといいでしょう。例えば、あいさつはしっかりするけれども、基本的には受け身の姿勢を取り、「積極的に接していくよりも聞き手にまわる」というのも方法の一つです。

いずれにせよ、ストレスが溜まらない暮らしの工夫をすることで、快適な生活が送れるようになるでしょう。

さまざまな工夫をしても、時にはトラブルに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。そのようなときは、第三者に協力をお願いするのがおすすめ。第三者とは、親や親戚のほか、自治会や町内会などが挙げられます。当事者同士で問題が解決しない場合は、問題のさらなる悪化を避けるためにも、第三者に間に入ってもらって解決へと導いてもらうようにしましょう。

それでもなかなか問題の解決に至らない場合は、警察に相談するほうがいいでしょう。分譲住宅では、住人同士の距離も近いため、その他の住人にも迷惑をかけてしまうことも考えられます。素早く両者が互いに納得いく形での解決を目指して、取るべき方法を選択するようにしてください。