分譲住宅の設備事情

毎日のように使用するキッチン。だからこそ、キッチンでの家事をできるだけ便利にしてくれる設備が整っていると、毎日の生活利便性が向上するでしょう。
ここでは、あると嬉しいキッチン設備について紹介していきます。

かつては、シンク下やコンロ下のスペースは引き戸タイプの収納スペースとなっていることが多く、引き出し式はあまり見られませんでした。しかし、最近は引き出し式のキッチン収納が一般的となっています。実際、引き出し式のほうが機能面や利便性において、得られるメリットが多いのです。

例えば、引き出し式なら奥行きがあっても問題ありません。引き戸タイプで奥行きがあるものでは、屈んで奥を覗いたり手を伸ばしたりする必要がありますが、引き出し式ならそのような必要はありません。比較的、簡単に使用でき、収納力にも優れていると言えるでしょう。

また、引き出し式の場合、引き出しごとにサイズや深さが異なって設計されている場合があり、入れるものや用途によって効率よく使い分けられるようになっています。片付けやすさもアップするため、キッチンが常に整った状態に保たれ、家事効率も向上することでしょう。

ビルトイン食器洗い乾燥機が設置されていれば、複数の仕事をこなしてくれるため、家事負担の軽減に大きくつながるでしょう。
複数の仕事とは、「使用した食器類を洗う」「洗った食器類を乾燥する」「そのまま収納スペースにもなる」の3点です。つまり、洗剤を付けて一つひとつ洗ったり、布巾で食器を拭いたり、それらを食器棚に閉まったりする作業を、事実上代行してくれる機械であるとも言えます。

また、使用する水の量も、食器洗い乾燥機を使用するほうが少なく抑えられるという点も注目。家計の節約にもつながり、メリットが多くおすすめです。

サポートシンクとは、高い機能性を持ったシンクのこと。「ワイヤーポケット」や「水切りプレート」が備わっているだけでなく「シンク上に2段のレーンの設置が可能」なタイプも人気です。

サポートシンクにはさまざまなメリットがあります。例えば、2段あるレーンのうち上段のレーンにプレートを置けば、調理台の続きとしても使用可能。調理台が広くなることで、その分作業もしやすくなります。
また、下段のレーンにもお皿を置けば、カット済みの食材を置いておくスペースとしても活用可能。幅広い場面において、利便性の向上が期待できるでしょう。

浄水器付き水栓が設置されていれば、有料のペットボトル入りウォーターを購入しなくても自宅で美味しい水が飲めるように。また、飲み水だけでなく、お茶や料理などに使用するうえでも、浄水された美味しい水は魅力的。日々の暮らしや食事に与えるメリットは大きいでしょう。

浄水器付き水栓の中では「浄水器一体型」が特におすすめ。このタイプは、普通の水栓のようにすっきりとした設計になっているため、シンクまわりが狭くならずに済みます。浄水器を設置してもシンクのスペースを取らず、利便性を損なうことなく作業を進められるでしょう。

水栓がシングルレバータイプだと、せっかく手を洗っても、手で触れて水を止めないといけません。
しかし、センサーが搭載されているタッチレス水栓なら、直接手で触る必要はありません。水栓の先端に手をかざすだけで、水の出し止めが可能に。衛生面に気を配りたい方にはおすすめの設備ですね。

キッチン同様、トイレも毎日使用するものなので、やはり便利さが求められます。使いやすい設計に加え、家族の人数によっては複数設置を検討してもいいかもしれません。
使いやすさという観点においては、タンクレストイレがおすすめ。また、2階建ての住まいの場合、2階にもトイレがあると、より利便性が向上するでしょう。

タンクレストイレの大きな特徴は、そのフォルムです。「タンクレス」という名称からも分かるように、便器の後ろにタンクはありません。そのため、トイレのスペースをゆとりをもって利用できます。

さらに、タンクレストイレ本体が掃除しやすい形をしていることも特徴。比較的凹凸が少ないデザインになっているため、拭いたり磨いたりするときもスムーズです。
また、凸凹が少ないということは、ホコリが溜まりにくい構造ということなので、掃除も楽になることでしょう。

2階建ての分譲住宅では、1階と2階のそれぞれにトイレがあると、生活の利便性が向上するでしょう。2階建ての場合、2階に寝室があるケースも多いため、寝室からトイレへ行くときにわざわざ階段を降りる必要がなくなります。

バスルームにあると便利な設備として「浴室乾燥機」「フルオートバス」「ミストサウナ」の3つが挙げられます。

浴室乾燥機は、特に冬場の寒いシーズンに重宝する設備です。入浴時に寒さで体が縮こまったり震えたりすることがないように、あらかじめ浴室を温めておけるのです。
また、バスルームの湿度を除去できるため、カビや結露を防ぎやすくなり、清潔な浴室環境を保つことにもつながります。

さらに、洗濯物を干すためのスペースとしても活用できる点に注目です。例えば、夫婦共働きで、いつも2人の帰宅が遅くなる家庭であれば、夜間に洗濯物を干すことが多いこともあるでしょう。そのようなときも、真夜中にバルコニーや庭に出て干す作業をしなくて済みます。

入浴だけでなく、洗濯においても利便性を高められる、ぜひとも導入を検討したい設備です。

フルオートバスなら、温度設定や追い焚きといった湯加減調整をすべてパネルでコントロールできるため、お風呂の準備がラクになります。もちろん、お湯張りもボタン一つで済みます。お風呂に入るタイミングを見測らなくても、いつでも快適に利用できる状態がキープされるのです。

ミストサウナは、通常の入浴と比較しても1.5倍から2倍程度の発汗作用があるとされています。あまり時間がなくてゆっくりと湯船に浸かっている暇がない日には、特に重宝するでしょう。

床暖房は、冬場の室内の寒さ対策として活躍します。熱気と異なって、寒気は下の方へと溜まっていく性質があります。そのため、冬場にはどうしても足元が冷えてしまうものです。
その点、床暖房があることで、逆に足元からはポカポカと温かさを感じられるように。寒い冬に重宝する設備です。

キッチンの床下収納は、保存食や有事の際の非常食を保存しておくスペースとして活用可能。そのほかにも、湿度や温度変化の影響を受けやすい床下の特性を活かして、酒類や缶詰などの腐りにくいものを保存するスペースとして活用するのもおすすめです。

洗面所に床下収納がある場合は、洗面所やバスルーム、トイレなどの用品を収納しておくと便利です。トイレットペーパーやティッシュペーパー、洗剤、シャンプー、石鹸のストックなど、足りなくなったときにもすぐに取り出せます。

分譲住宅には設置されている設備を有効活用することで、毎日の生活の利便性向上が期待できるようになります。最近では、さまざまな便利な設備や人気の設備オプションが付けられている分譲住宅も増えてきました。
分譲住宅を購入する際は、家族のライフスタイルやライフプランを踏まえて、住宅設備のチェックも忘れずに行いましょう。